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在宅勤務の方へ。ビタミンDが不足していませんか?

コロナ禍で在宅勤務のかたも多いと思います。私は、産業医としてもいくつかの企業で様々な社員から相談をうけていますが、在宅勤務がストレスになっていると言われる方もたくさんいらっしゃいます。在宅勤務のストレスがこうじてうつ状態になるような人たちも、今は少なからぬいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、在宅勤務の中で、ぜひ気を付けてもらわないといけないことの一つについて、今日はお話しさせていただきたいと思います。

在宅勤務の方は多くの場合、ご自宅で一日中、パソコンの画面と向かい合っているという日々を続けているのではないでしょうか。外に出る機会がほとんどないとおっしゃる方もかなりいらっしゃいます。今は食事も宅配が発達していますし、食材を買うにしてもネットスーパーでありとあらゆるものを買うことができます。

そこで、問題になってくるのが、ビタミンD不足ということなのです。ビタミンⅮというビタミンの名前はほとんどの方が、お聞きになったことがあると思います。このビタミンは骨に関係していて、これがないと骨の発育がうまくいかなくなり、くる病という状態になって、足がまがってしまうようなこともあるのです。

最近の研究では、ビタミンⅮは骨だけではなく体の様々な部分に関係していることがわかってきました。ビタミンⅮの不足は、高血圧や、癌や、免疫不全や、花粉症は、糖尿病など、ありとあらゆる成人病と言われているものに、関わっていることがわかってきたのです。これはビタミンⅮの本質を知っていれば当然のことなのです。ビタミンⅮは、ビタミンと名前はついていますが、実はホルモンなのです。ビタミンは自分の体で作ることはできませんがビタミンⅮは自分の体の中で作れるステロイドホルモンなのです。

ただ、ほかのホルモンと違って、自分の体で作るためにはある条件が必要です。それは日光にあたり紫外線を浴びることなのです。紫外線は今は極悪人のように言われていますが、実は、いい部分もあって、ビタミンⅮを作るのには必須のものなのです。

これがないとくる病になるだけではなくて、癌や糖尿病や花粉症にもなりやすくなってしまうのです。私は3度ほど国際ビタミンⅮ学会に出席して、いろいろな発表を聞いてきました。大学でもビタミンⅮの研究をやっていたのです。

そこで、コロナ禍の中での在宅勤務の話に戻りますが、在宅勤務で一日中家の中に居て、紫外線を浴びる機会がないと、血中のビタミンⅮ濃度が下がっている可能性が高くなります。ビタミンⅮの低下は上記に上げたような成人病の原因につながるだけではなく、うつ病との関連性も指摘されているのです。一日中家の中にいるとなぜかうつうつとした気分になるかというのはこういうメカニズムではないでしょうか。実際に、ビタミンⅮ低下と様々な精神疾患とのかかわりについては多くの研究論文が発表されある意味、研究の花形にもなっているのです。また、ビタミンⅮは免疫機能ともかかわっていますから、ビタミンⅮ不足で、コロナ感染のリスクも高くなるのです。

こうしてみると、在宅勤務においても少なくとも一日に一度は外に出て散歩するしたり、ジョギングしたりなにか屋外活動をすることはとても重要なことです。

精神疾患の予防には規則正しい生活と睡眠がとても大事です。睡眠をしっかりとるためには朝の光を浴びることがとても大切だと言われています。

このように考えてみると、朝、起きた時外に出て、深呼吸し、少し散歩してみることはビタミンⅮ維持の観点からも良好な睡眠を得るという観点からも非常に推奨されていると考えていいでしょう。

コロナ禍の在宅勤務のストレス解消のための一つの参考にしていただけたら幸いです。(Y)

2021年4月24日  心身の健康について