世田谷区 下北沢駅徒歩1分の心療内科・精神科。うつ病、統合失調症、不安障害、認知症など心の専門クリニックです。

電話番号 初診ネット予約 再診ネット予約
0354327071
初診ネット予約 再診ネット予約

ご予約・お問い合わせ
TEL 03-5432-7071

メールでのお問い合わせ

※診察のご予約はネット予約またはお電話にてお願いいたします。

自己、意識

以下書くことは僕の妄想というか特に科学的根拠はありません。

恍惚発作という言葉を聞かれたことがあるでしょうか。側頭葉発作というてんかんの部分発作の一種で、ロシアの大作家ドストエフスキーが数多く作品中に記述したことで知られます。

その体験は強烈なもので
自己意識の変容・・すべてが自覚される感覚、感情が圧倒的に大きくなる
強烈な自己肯定的情動・・自分自身が完璧に統合され、世界、身体、自己などが調和する感覚
時間の低速化・・過去現在未来の感覚が変わる。ゆっくり、あるいは世界が止まっているかのように感じる

など、自己と世界が融合してすべてが完全で調和しているかのように感じる状態のようです。これは個人的に大変興味深いものです。この感覚を僕は幼少期のどこかで実感したことがあるような気がしているし、もしかして皆さんにもどこか覚えのある感覚ではないでしょうか。幼児的万能感はこの感覚に少し近いのかどうか。よくわかりませんが。

この発作が興味深いのは自己、意識についてとても考えさせられるからです。そもそも自己、意識、無意識など、定義するのはとても難しいことですね。現代の脳科学でも完全には解明できていない領域です、だから自分の妄想を書いても許されるというわけではないでしょうが、まあ勝手にいいことにします。
この発作でその人の中から消えていくものが一つあります。それはいわば
「客体としての自己」です。世界と自己の身体、精神が完全に融合したとき、客体としての自己は理論上無くなりますよね。世界と完全に一つになったものは最早世界そのものと区別がつかないからです。

ただしそれを体験する「主体としての自己」は依然としてありますよね、経験の主体者であり、かつ決して自己言及できない存在としての「自己」。これは何なのでしょう、脳内のどこかに物理的基盤があるのでしょうか。

自己と一対をなす概念に意識があります。常に自己とともにあり、認知、感情、知覚、運動、全てを映し出すもの、ただしこれも脳内のどこに物理的基盤があるのか、はっきりしていません。

意識のハードプロブレムという言葉があります。
オーストラリアの哲学者デイビッド・チャ―マーズが提唱したもので、彼によれば

イージープロブレムとはその解き方が原理的にわかりうる問題。知覚、学習、注意、記憶、睡眠など、これらの問題は科学的に解きうる、解決可能な問題であるのに対し、

ハードプロブレムとは物理的存在の脳を基盤としてそこからどうして意識、クオリアのような精神現象が現れうるのか、その問題が容易に解けないことを指します。

この問いは
イージープロブレムを解き続ければいつかハードプロブレムを解くことができると考える人、
そもそもハードプロブレムは存在しない、つまりそもそも意識、無意識自体がフィクションであると考える人、
またある種宗教的、デカルト的二元論でとらえる人など
他にもあるのかもしれませんが人によって意見が分かれる問いになっています。
自分の妄想はそのあたりをめぐるのですが、疲れたので以降はまた今度書きます。

2019年8月6日